MMPI ミネソタ多面的人格目録の概要

MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory)は、1943年にミネソタ大学のハサウェイとマッキンレーによって作成された550問からなるパーソナリティ検査です。

精神病理的な不適応を多面的に識別することにより、診断に役立つ目的で作成されました。新規傾向、うつ傾向、精神病質、ヒステリーなどの臨床尺度と、回答者の態度を測定する妥当性尺度から構成されています。信頼性が高くよく用いられる検査のひとつです。

適応年齢

MMPIの適応年齢は原版では16歳以上、新日本版では15歳以上(小学校卒業程度の読解力あり)となっています。

質問数と所要時間

MMPIの項目数は550項目であり、所要時間の目安は1時間です。略式版は263項目で、40分の目安となっています。

MMPIの尺度

4つの妥当性尺度
MMPIの妥当性尺度は、回答者の回答が歪曲されていないかを確認します。また妥当性尺度から回答者の現在の状態と解釈します。

「?尺度」妥当性の疑わしさの尺度
「L尺度」虚構の尺度。自分を好ましく見せる傾向。
「F尺度」精神障害の程度や非協力の傾向を示唆。
「K尺度」検査への警戒や自己防衛を示す。

10の臨床尺度
心気傾向、うつ傾向、精神病質、ヒステリーなどの尺度。健常群と臨床群のあいだで有意差が認められた質問項目で構成されているため、スクリーニング検査として有効。