心理検査・質問紙法の中で、不安症状や傾向を測定するものを紹介します。
MAS(顕在性不安尺度)
テーラーがMMPI(ミネソタ多面人格目録)の中の50項目を中心にして作成した、不安を測定するための検査です。
日本語版では、L尺度15項目を加えた65項目で構成されています。
顕在性不安とは、自分自身で身体的・心理的な不安の兆候が意識化されたものを指します。
適用範囲は中学生以上ですが、児童用(CMAS)も作成されています。
「心配ごとで眠れぬようなことがあるか」といったような質問から構成されていて、日本語版ではI~V段階に得点化されます。
STAI(状態-特性不安検査)
スピルバーガーによって作成された不安を測定する検査です。
状態不安と特性不安の両方を測定するのが特徴の検査です。
状態不安:今この瞬間に感じている不安。一時的な情緒状態であり、感情状態と生理反応からなります。
特性不安:普段感じている不安。不安状態に対する個人の反応傾向で、比較的安定した性格傾向を意味します。
STAIにおいて、状態不安と特性不安の質問がそれぞれ20項目、全40項目から構成されます。
LSAS-J(リーボビッツ社交不安尺度)
リーボビッツによって考案された社会不安症を測定する尺度の日本語版です。
24項目の質問から構成され、重症度の評価が可能です。
CAS(不安測定性格検査)
キャッテルが作成した40項目の不安を測定する尺度です。適用対象は中学生~大学生となります。