投影法(投映法)よる心理検査の特徴

投影とは

心理学における投影とは、自分のある資質や心の欲求を認めたくないときに、自分自身を守るため、防衛機能として他人にその悪い面を押し付けてしまう、責任転嫁のような行動を指します。普通は悪い面を指すことが多いですが、良い面の投影もあります。

投影法(心理検査)

人はあいまいで不安な状況におかれると、その状況を自分なりに意味づけしようとします。
こういった意味づけには、その人の意識的だけでなく心の奥の無意識の欲求や動機、葛藤などが反映されやすくなります。

この心の特徴を生かし、視覚的や言語的にあいまいな刺激をクライエントに提示して、それに対する自由な反応を手掛かりに、クライエントの心の中の動きや性格をとらえようとする方法が投影法です。

投影法の長所・メリット

投影法での質問にはクライエントはどのように答えても構わないという自由さから、決まった形の質問になっている質問紙法で起こりやすい検査への構え(自分の欠点などはみせたくないという心理など)や意図的な結果の操作が少なくなります。

また、他の調査ではとらえられない無意識水準の心の深層面まで触れて切り込むことが可能になります。

投影法の短所・デメリット

無意識の奥まで切り込めるという反面、その検査結果の分類や解釈に検査を行う医師やカウンセラーなどに高いスキルや熟練が求められること、またその解釈には医師やカウンセラーなど検査を行う人の主観が入りやすい点が課題となります。

主な投影法検査

代表的な投影法検査としては、ロールシャッハ・テスト、SCT(文章完成法テスト)、TAT(主観統覚検査)、P-Fスタディ、DAM(グッドイナフ人物画知能検査)、バウムテストなどがあります。