TAT(主題統覚検査)とマレーの欲求圧力理論

TAT(主題統覚検査)マレーらによって開発された投影法のパーソナリティ検査です。

テストは、人物を含んだ、さまざまな受け取り方ができるあいまいな状況の30の図版と1枚の白紙から何枚かを被験者に見てもらい、その絵から物語を自由に語ってもらいます。

マレーの欲求圧力理論(欲求圧力分析)をもとに、被験者が葛藤状況をどのように認識し、どのような対処行動をとっているか、という傾向から、パーソナリティを明らかにしていきます。

マレーの原法では2日間に分けて行いましたが、現在では一回で行われることがほとんどです。

TATの30枚の図版には、少年用(B)、少女用(G)、男性用(M)、女性用(F)に分けられます。

また児童用のTATであるCAT(児童統覚検査)は10枚の図版からなり、主人公に動物を用いて、子どもに親和性が高く出来ています。
高齢者用のTATであるSATやGATは65歳以上が対象となり、16の図版からなり、登場人物に高齢者が多く登場するようになっています。

※マレーの欲求圧力理論

マレーは欲求と圧力というふたつの力でパーソナリティを力動的に捉えました。

欲求・・人を内から動かす力
圧力・・人を外から動かす環境の力

欲求には食欲求、達成欲求、支配欲求などがあり、圧力にはこれらの欲求を促進させるようなプラスの圧力と、妨害するようなマイナスの圧力とがあります。

たとえば、追従的な人は支配欲求に対して促進的圧力であり、攻撃的な人は支配欲求に対して妨害的圧力となります。

マレーは人のパーソナリティを理解するために、その人の過去、現在、将来についての欲求と圧力を知ることが重要であるとしました。